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2009年3月 アーカイブ

9-3-2009

《フィクションを食べよう》(1)レーズンマフィン

……私はするりとぬけ、
「あ、志門、マフィン食べない?」
籠に山盛りにしたレーズンマフィンを私は持って来た。小麦粉とベーキングパウダーと卵と牛乳、サラダ油でこねてオーブンで焼くという、このお菓子、簡単なわりには見ばよく、おいしそうなんだけど。志門は、
「いや。そういうの、きらいやねン」
――連もそういえば私が作ったお料理は喜んで食べるくせに、お菓子はきらいみたい。

(田辺聖子 「男たちはマフィンが嫌い」より)

タイトルそのままのシーンだ。
この作品中のマフィンは、登場人物たちには好まれていない。挙句の果てに作品の最後には、マフィンを焼いた当の本人であるヒロインの「私」までが「あまり好かないことに気づいた」なんて言いだす。そんなアイテムであるにもかかわらず、この原材料の羅列を見てたらやっぱり食べたくなってしまう。

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《フィクションを食べよう》(序)巨大カステラや漫画肉だけじゃない

ハイジの白パン、ギャートルズの骨付き肉、ぐりとぐらの巨大なフライパンで作るカステラ。アニメや童話のおいしそうな食べ物は「あれ食べてみたーい!」という話をよく聞く。
(ぐりとぐらの「あのカステラ」をイメージしたケーキは、実際ネットでレシピを見て作ったし…)

ところで、おいしそうなアイテムは、漫画やアニメ、童話だけに載っているわけではない。文字のみで書かれた小説やエッセイを読んでいても「これはおいしそう、食べたい」「これなら作って食べられそう」と思えるものはいくらでもある。
また、若い頃ほどの「ゲーヲタ」でないにしろ、わたしはテレビゲームが好きでちょくちょく遊ぶのだが、RPGなどのストーリー性のあるゲームだと、ごくたまにだが実際においしそうなアイテムが出てくる場合がある。
更に、冒頭に書いたような漫画やアニメや童話の食べ物も、本当に作って食べてみた事実を記録として残しておきたい気持ちもある。
これからそのあたりのフィクションの食べ物たちにおつきあいいただけると嬉しい。

ただ、わたしの場合、作ったものを原則として家族とシェアする立場にあるため、題材が「実際においしそうなもの」「作っても失敗が少なそうなもの」がほとんどになることはあらかじめ予告しておきたい。それ以上に実験的なアイテムはたまにわたしの昼食として作ることになるかもしれない。
また、レシピは既存のものをそのまま、または一部差し替え程度にアレンジして作ることが多い。自分で考えたレシピでない限りは、出典をリンクや書名紹介などの形で明示する。特にネット上のレシピでは、リンクに異存がある場合はご一報いただければリンクを外すので、ご連絡いただけると嬉しい。

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