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21-6-2009

《フィクションを食べよう》ケイコ木下のおつまみ4点セット 準備編

ある六月上旬の早朝五時四十一分、十二輌編成の急行列車が仙台駅のひとつ上野寄りの長町駅から北へ向って、糠雨の中をゆっくりと動き始めた。

この書き出しだと機は逃しちゃったか(汗) せめて夏も盛りに入る前に食べたいな。

胡瓜揉み茄子を賽の目に切ってその上に枝豆をはじき醤油をかけた、いわば和風サラダ。微かに湯気を発しつつ初夜に臨む処女のように震えている玉蒟蒻ワサビ醤油を塗られて薄化粧した薄切りの笹蒲鉾

まず、胡瓜もみ。これは普通に胡瓜の薄切りの酢の物を作ればよいのだろうが、ケイコさんが十数分でぱぱっと作ってしまっている旨の記述がある(しかもその間にケイコさんはお風呂に入って化粧までしたってほんまかいな!)ことから、手間のかかる材料は使えなさそうだ。うむむ、これは椎茸とあぶらげでも炙るとするか。

茄子。作中では篤農家のお園さんが開発した「びっくりしたなす」を使っていそうだが、その祖先種とされる実在の「埼玉青なす」は手に入りにくい上、生よりは煮物向けと思われる。ここでは入手しやすさと生食への適性を優先し、府内南部の泉州で盛んに栽培されている「水なす」を採用しよう。もちろん、枝豆を「ザ・豆」ならぬ「だだちゃ豆」にできれば言うことはない(が、さすがにそこまでの贅沢は言わない)。

玉蒟蒻。山形ではスルメを出汁に使って玉蒟蒻を煮込むそうだと聞いて一度うちでも試したことがある。一気にハマってあのときは2-3日に一度作ったっけ。水分を含んで「イカ」に戻った!?スルメも、みりんと醤油の味がしみてこれまたおいしい。
この味が山を越えて宮城や岩手、つまり「吉里吉里人」の舞台周辺にも広がっていてもふしぎではあるまい。ということでこんにゃくとスルメは既に準備済み。
ただ、これは煮込みに時間がかかるので、さすがのケイコも十数分の間に作ってしまうのは無理だろう。おそらくまとめて煮込んだものを常備しておき、必要な分だけ鍋か電子レンジ(あの時代には既に普及していたはず… 決して裕福ではなかったわたしの生家にすらあったのだもの)であたためているものと想像。

そして笹かま。問題は、わが家には塩分摂取制限のある家族がいるので、笹蒲鉾を大量に食べさせる訳にもいかない(しかもワサビ醤油で板わさ仕立てだし!)ということ。ミニサイズの笹蒲鉾がないか、探してみるとするか。

(文中引用はいずれも井上ひさし「吉里吉里人」より)

9-3-2009

《フィクションを食べよう》(1)レーズンマフィン

……私はするりとぬけ、
「あ、志門、マフィン食べない?」
籠に山盛りにしたレーズンマフィンを私は持って来た。小麦粉とベーキングパウダーと卵と牛乳、サラダ油でこねてオーブンで焼くという、このお菓子、簡単なわりには見ばよく、おいしそうなんだけど。志門は、
「いや。そういうの、きらいやねン」
――連もそういえば私が作ったお料理は喜んで食べるくせに、お菓子はきらいみたい。

(田辺聖子 「男たちはマフィンが嫌い」より)

タイトルそのままのシーンだ。
この作品中のマフィンは、登場人物たちには好まれていない。挙句の果てに作品の最後には、マフィンを焼いた当の本人であるヒロインの「私」までが「あまり好かないことに気づいた」なんて言いだす。そんなアイテムであるにもかかわらず、この原材料の羅列を見てたらやっぱり食べたくなってしまう。

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《フィクションを食べよう》(序)巨大カステラや漫画肉だけじゃない

ハイジの白パン、ギャートルズの骨付き肉、ぐりとぐらの巨大なフライパンで作るカステラ。アニメや童話のおいしそうな食べ物は「あれ食べてみたーい!」という話をよく聞く。
(ぐりとぐらの「あのカステラ」をイメージしたケーキは、実際ネットでレシピを見て作ったし…)

ところで、おいしそうなアイテムは、漫画やアニメ、童話だけに載っているわけではない。文字のみで書かれた小説やエッセイを読んでいても「これはおいしそう、食べたい」「これなら作って食べられそう」と思えるものはいくらでもある。
また、若い頃ほどの「ゲーヲタ」でないにしろ、わたしはテレビゲームが好きでちょくちょく遊ぶのだが、RPGなどのストーリー性のあるゲームだと、ごくたまにだが実際においしそうなアイテムが出てくる場合がある。
更に、冒頭に書いたような漫画やアニメや童話の食べ物も、本当に作って食べてみた事実を記録として残しておきたい気持ちもある。
これからそのあたりのフィクションの食べ物たちにおつきあいいただけると嬉しい。

ただ、わたしの場合、作ったものを原則として家族とシェアする立場にあるため、題材が「実際においしそうなもの」「作っても失敗が少なそうなもの」がほとんどになることはあらかじめ予告しておきたい。それ以上に実験的なアイテムはたまにわたしの昼食として作ることになるかもしれない。
また、レシピは既存のものをそのまま、または一部差し替え程度にアレンジして作ることが多い。自分で考えたレシピでない限りは、出典をリンクや書名紹介などの形で明示する。特にネット上のレシピでは、リンクに異存がある場合はご一報いただければリンクを外すので、ご連絡いただけると嬉しい。

8-2-2009

レモンヨーグルトクッキー

最近はちょくちょく小麦粉のお菓子を作る。
ふだんは生地作りが簡単なビスコッティやスコーンが多いんだけど、今日はプレーンヨーグルトを少しでも消費するため、Cookpadに載っていた「ノンエッグ・ヨーグルトクッキー」を焼いてみた。
(PCにて再編集の際にリンクを追加してみました)

かんたんでおいしい♪
家族の評価も上々。

レシピの2倍量を作ってアイスボックス生地を2本にし、そのうち1本だけを今日焼いて食べた。
残りの1本も近いうちに焼こう。




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