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チリ大地震・ハワイ津波動画騒ぎについて、考えたこと

First Images of the Tsunami in Hawaii - Tsunami no Havai' - 27/02/10

この動画がハワイのものでないとわかったのは、わたしがたまたま光永亮太氏のファンだったからだ。光永さんの大好きな、そして2003年から2004年にかけての年を越したという、タイのビーチリゾート各地にも、スマトラ沖地震が甚大な被害を与えたという事実を踏まえていた。だからこそ、元のランタ島の津波映像を記憶していたのだ。(但し、わたしはこの映像をプーケットと間違って覚えていた。汗)

スマトラ沖地震にそれほどの予備知識や関心がなければ、動画の嘘を見抜けなかったのはそれはそれで止むを得ない。わたしも元ネタを知らなければ、この映像をそのままハワイのものとして信じてしまっていたと思う。動画の中で流れていた観光客の悲鳴も知らない言語ではないように(おそらく英語)聞こえたし。

Asian Tsunami,2004(Koh Lanta)  (これがほんもの)

むしろその後「これはハワイじゃなくってランタ島だよ」という訂正も速やかに流れて、Twitter上では「デマも流れるが一度誰かが見破れば訂正が回るのも早い」Twitterらしく事が運んでよかった。
この訂正Tweetを流した伊山さんは、わたしと相互フォローしていて、たまに冗談とかも言い合ったりしてる方なんでちょっと誇らしかったり。もっとも、ご本人も友人からの指摘でランタ島の映像だと気づいたとのこと。
実はわたしも「これはハワイではなくて以前のタイですよ」という主旨のTweetを流したものの、先ほども言ったように地名を間違ってプーケット島と記憶していたため、微妙な部分を間違ったTweetがわりとたくさんリツイートされてしまった。その後訂正のTweetを流したが、そちらはあまりRTされていない。
今回の場合、チリ地震の津波でないとさえわかってもらえればそれでよかった、と言い逃れしてもいいのかもしれないけれど(よくないよくない)。

問題は Twitter よりむしろ YouTube の当該動画。

この「偽ハワイ」はランタ島の動画を編集ひとつせずに再掲して、タイトルを「2010年2月27日、ハワイの津波」に変更しただけである。
わたしは改めて両者を見比べた上で、英語で「これとよく似たタイの津波の動画を見たことがある」というつもりでコメントしたが、リロードしても反映されていない。しかたないので、時間をおいて今度はエスペラントで「これはハワイではないようにわたしには見えます」とコメントしようとしたら、なんとわたしがブロックされていた! YouTubeそのものにブロックされたわけではないことは、べつの動画にちゃんとコメントできることで既に確認済み。
実際「これはハワイじゃないだろう」というツッコミのコメントは一時的には表示されても(わたしは実際には見ていないが、Twitterを通じてこの動画を見た方々の中に若干目撃例があるようだ)すぐ削除されている模様。

つまり、これはYouTubeで動画を発信した人に悪意があるとみてよいということだ。

いずれにせよこの動画、もちろん津波のこわさを知る上では充分見る価値があるのだけれど、それなら何もあのとき太平洋の対岸を襲おうとしていた「(当時)現在進行中」の津波を騙る必要はないのではなかろうか。

ほかにもYouTube上には今回のチリ大地震関連の動画が色々流れているが、あきらかに本物なのに混じって、中にはこんなものも。

8.8 Magnitude Earthquake Chile

冒頭の13秒、日本で長らく暮らしている方には見覚えがある方も多いだろう。

阪神・淡路大震災発生の瞬間(あわやキャビネットに押し潰されそう)

ちなみに「あわや」のお兄さん(おじさんかも)が、このあと起き上がって電話をとり、緊急時のための仕事を始めるところまで、わたしは震災当日にNHKで見ていた。

そのあと、商店の防犯カメラと思われる映像(もしかしてだが、タイムスタンプが5時台なのに明かりがついているところをみると、これも日本のコンビニではないだろうか?)に続いて、ずいぶん高画質な、おそらくは何かのDVDから拝借したと思われる地震シーンの映像が続いている。「DivX」のウォーターマークも一部消えていないところをみると、これはみえみえのジョークですよぅ、といいたいのかもしれないが、それにしても趣味が悪すぎる。

もしかしたらわたしは他にもチリ大地震の動画のつもりで違う地震の動画や架空の物語の映像などを見せられている可能性もないとはいえない。
デマのこわさを考えると、決して現在進行中、または起こって間もない災害を騙った動画をアップロードすべきではないのだが。

見る側としては、YouTubeも報道機関オフィシャル動画などのよほど信頼できるソースでない限りは過信せず、可能な範囲でソースを見極める、情報源がTwitter上なら、少し時間をおくことが可能であれば訂正や否定の情報が挙がらないかしばらく様子を見る(つまりTwitterの自浄作用が働くのを待ってみる)などの配慮が必要だろう。

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