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それでもフランス語がやめられない理由(画像追加あり)

フランス語の二人称には、目上の方や初対面など親しくない方のための«vous»という表現と、彼氏・彼女・友達などの親しい間柄や目下の人に使う«tu»という表現の2種類がある。(«vous» は文法上は2人称複数であり、またほんとうに複数存在する二人称「あなたたち・きみたち」にも使う)

ところでさっき久しぶりに岩波文庫の「ペレアスとメリザンド」(メーテルランク著)をひもといてみた。ドビュッシーがオペラ化したり、フォーレが作った劇伴曲が後に抜粋されて組曲化されたり。多くの作曲家をインスパイアした作品としても有名だ。この文庫は左ページがフランス語原文、右ページが日本語対訳、という構成になっている。(珍しいそうだが、こういうのはどしどしほかの本でもやって欲しい)

さて、この本の第四場第四幕、とてもせつない愛と別れのシーン、のフランス語側にシャープペンシルの書き込みがあるのを見つけた。
(写真の手ブレがひどいのはご容赦の程を)

TS3Q0005.JPG

なんでだろう、としばらく読んで気づいた。
メリザンドのペレアスに対する二人称が«vous»から«tu»に変わる瞬間をメモっていたのだった。(一部違うのもあるけどね)

詳しいことはストーリーの重要な部分をばらしてしまうので割愛する。とにかく、ペレアスのあのセリフを境にメリザンドの態度が一変するのを見ると胸が「キュン」と「ギューッ」の混じったものでいっぱいになってしまう。

英語やエスペラントに比べて文法も難しい(エスペラントは英語の文法が簡略化されているのにインスパイアされてわざわざ文法を簡単に作ってるんだから当たり前といえば当たり前だが)。
動詞の現在形だけで6つも覚えるんかい、みたいな。しかも助動詞代わりに使うような重要な動詞ほど不規則活用で、標準形とは別に覚えなければならない。
代名動詞の再帰代名詞と他の代名詞がかちあったり、更に助動詞的用法の動詞がドッキングしたりすると、語順をどうしたらいいのかわからなくなる。
そんなこんなでTwitterでも英語やエスペラントに比べてついつい使うのが億劫になってしまう。さっきの向谷さんのUSTもフランス語では宣伝しなかった(汗)。

それでも、それでも、フランス語がやめられないのは。
たとえばこういうこと、なのだとおもう。

ぎゃー、向谷さんのダダ漏れ第2部が始まっていますが残念ながら野暮用で遅れて見に行きます!

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